10年近く続いている、認知症介護のラジオ

僕がお手伝いしているサイトのひとつに、認知症介護をテーマにしたラジオ配信を、10年近く・370回近く続けている発信者さんがいます。

1回ずつブログ記事にして、音声を貼って届けるスタイル。派手さはないけれど、続けてきた回数がそのまま積み重なった、けっこう分厚いアーカイブです。

今回、そこで頼まれた作業が二つありました。ひとつは「読み上げ対応の再生ボタンをつけてほしい」。もうひとつは、その作業をしているうちに自分から言い出した、「10年分のリンクを、全部チェックしませんか」という話です。

きっかけは、全盲のリスナーさんがいるという一言

最初の依頼のきっかけは、「全盲のリスナーさんがいる」という一言でした。

これまでの音声は、ページを開くと自動で再生が始まり、そのままループする仕組み。目で見て操作できる人には気にならない挙動でも、画面読み上げソフトを使っている人には、扱いにくいものだったようです。

そこで、370回分すべてに、ページ内で読み上げソフトからも認識できる再生ボタンを設置し直しました。自動再生・ループはやめて、「自分で押して聴く」に変える。仕組みだけ見れば、地味な一括修正です。

でも作業しながらずっと考えていたのは、「画面を見ずに、この記事を開いた人がどう操作するか」でした。ボタンの位置、読み上げられるラベル、押したあとの反応——想像しながら370回分をひとつずつ確認する時間は、単純作業というより、ちょっとした翻訳作業に近い感覚でした。

ボタンをつけながら、気づいたこと

370回分の音声リンクを見ていくうちに、あることに気づきました。

10年もの間には、サーバーの引っ越しや保存先の変更が何度かあったはず。だとしたら、リンクが切れている回があるんじゃないか——そう思って、ユニークな音声URL358件を、1件ずつ当たってみることにしました。

ちょっとした、リンク切れ探偵です。

結果、確定でリンク切れ(404)になっていたのが6件。10年分のアーカイブの中に、ポツポツと散らばっていました。うち1件は、当時の投稿やファイル名の手がかりをもとに、まだ元の音声を探している最中です。

派手な発見ではありません。でも、「何年も前の回を、今聴きたいと思った人がいたら」と考えると、地味に大事な仕事だな、と思いました。

誰のために、何が変わったか

技術的に見れば、「ボタンをひとつ変えた」「リンクを直した」というだけの話です。AIに詳しい人からすれば、目新しさもないかもしれません。

でも、届く先を想像すると、少し違う話になります。

– 画面を見ずに聴いている人が、迷わず再生できるようになった

– 10年分のアーカイブのうち、切れていた数か所が、聴ける状態に近づいた(一部は調査継続中)

– 「続けてきた10年」が、これからも聴き続けてもらえる状態に整った

技術自慢より、「誰のために、何が変わったか」の方が、僕にとってはずっと大事な指標です。ちょっと変わったお仕事でしたが、こういう地味な整備こそ、ちゃんと価値があると感じた出来事でした。

まとめ

– 全盲のリスナーさん向けに、読み上げ対応の再生ボタンを370回分に一括設置

– 作業の途中で気づき、10年分・358件の音声リンクを全チェック→確定リンク切れ6件を発見(1件は調査継続中)

– 技術より、「誰のために・何が変わったか」を軸に考えた仕事だった

「うちのサイトも、地味なところが気になるな」と思った方は、気軽にどうぞ。

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