デジタルサイネージ編の第3回です。
前回の記事ではGroupSessionの施設管理、スケジュールの登録方法までを説明しました。
今回はPowoerPoint上の作り方について説明します。
PowerPointの準備
早速作成!といきたいところですが、PowerPoint側にも準備が必要です。
本件はPowerPointのマクロ(と言ってもVBAです)を利用するので、まずは開発タブを表示させなければいけません。PowerPointを導入したままの状態の方はリボン一覧に開発タブが表示されていないと思います。
開発タブが表示されていませんね。このような状態の方はメニューの「ファイル」から「オプション」を選びます。
オプション画面が開いたら「リボンのユーザー設定」を選びます。
画面右側のリボンのユーザー設定(B)の中で各タブの表示/非表示が選べるようになっていますので、「開発」にチェックを付けてOKをクリックします。
これでPowerPointのリボン一覧に開発が表示されます。
基本フォーマットを作る
ようやくフォーマット(レイアウト)作成です。PowerPointを利用する最大のメリットはスライドショーが利用できる点です。スライドショーさえ流しておけば、それなりのデジタルサイネージ(ウェルカムボード)になってくれます。
さて、ここで初めてデジタルサイネージとして何を表示するのか?というお話になります。(本来なら、企画段階でアイデアが練られているはずですが、技術視点で記載している都合上、このタイミングになってしまいました。)
会社の情報を来社されたお客様に見ていただくのですから…
- 会社概要(案内)
- 来賓予定(会議室案内)
- フロアマップ
- 製品情報
- 会社の取り組み・特徴など
このような感じでしょうか。お客様が来社されて受付手続きを行い、担当が来るまでの短い時間ですから、あまりボリュームを持たせても仕方ありません。
今回はサンプルとして「表紙(会社名)」「来賓予定」「製品情報」をスライドとして準備しました。
スケジュールの受け口を作る
続いて来賓予定のスライドにGroupSessionから引っ張ってくるスケジュールデータの受け口を用意します。
先のフォーマットの箇所で来賓予定に枠を入れていますが、こちらは「ラベル コントロール」で作成しています。もちろんテキストボックスで作成されても構いませんがVBAで記載・制御するにはコントロールを用いた方が都合が良いので「ラベル コントロール」を使用しました。
ラベルを適用するには開発タブのコントロールからラベルをDrag&Dropします。
上記事例では配置・制御状況を分かりやすくするためにラベルを線で囲っていますが、最終的には白線を消します。線の有無を制御するにはラベルコントロール上で右クリックして「プロパティ シート」を開きます。
プロパティ画面が開きますので「Border Style」の内容を変更します。「fmBorderStyleNone」で線なし、「fmBorderStyleSingle」で線ありとなります。線色の変更は「BorderColor」から行ってください。
プロパティついでですが、画面内の「(オブジェクト名)」はVBAで使うコントロール名となります。「Caption」はラベルに表示される内容になります。
事例では場所を表示するラベルのコントロール名を「L_場所」、表示は「(空)」にしています。「Caption」が(空)になっているのでスライドのラベルには何も表示されていません。
さて、今回はスケジュールの受け口として場所、時間、ご芳名(会社名、顧客名)、担当名の枠を用意しました。前回記事ではスケジュール内にタグを定義しました。これらを結びつけると
<CMP></CMP> 会社名
<CST></CST> 顧客名
<CHG></CHG> 担当名
の関係となります。
尚、場所・時間についてはGroupSeseionのWEB APIから引き出した情報を利用します。
スライドショーの設定
デジタルサイネージ(ウェルカムボード)の特性上、スライドショーは自動再生にします。1ページ当たりの表示時間を調整するには「画面切り替え」タブを開き、「タイミング」グループの「画面切り替えのタイミング」欄から「自動的に切り替え」にチェックを付けて表示時間を設定します。
上記例では10秒間表示する設定になっています。尚、この表示時間には画面切替わりのアニメーション時間は含まれません。
続いて「スライドショー」タブを開き、「設定」グループから「スライドショーの設定」をクリックします。
スライドショーの設定画面です。Officeのバージョンによって画面に違いはありますが、おおむね設定する内容は同じです。
まず種類から「発表者として使用する(フルスクリーン表示)」を選びます。
オプションは「Escキーが押されるまで繰り返す」「ナレーションを付けない」にチェックがあればいいでしょう。もし、ナレーション付きで構成する場合は、このチェックを外してください。
スライドの表示は「すべて」にします。
また、スライドの切り替えは「保存済みのタイミング」にしてください。これにより、先ほど指定した10秒間隔で自動再生が可能となります。
以上、設定が終わりましたらOKをクリックしてください。
今回はPowerPointの準備について書きました。次回はGroupSessionのWEB APIについて触れたいと思います。